baieベ(果粒)のかたちと構造

果粒のかたちと大きさ

ぶどう果粒の形には、品種によって球形、楕円、たまご形、弓形など多様性がある。大きさも直径20~25mmの大、直径15mmほどの中、直径10mmほどの小にグループ分けされるなかで、ピノ・ノワールの果粒は球形の小に分類される

 

果粒の外見

ぶどう果粒は、白い粉のようなもので覆われている。ぶどうの果皮がツヤ消しで、灰色がかっているのは、蝋質の層であるこのpruineプリュイーヌ(果粉)のせいだ。

 


左はティッシュで全体を拭き果粉を取り除いた果粒。右はなるべく擦らないよう置いた果粒だ。

このpruineプリュイーヌ(果粉)は、表皮に接着しているわけではないから、指でちょっと擦っただけでかんたんに取れてしまう。そして、cuticuleキュティキュル(クチクラ)でできた、ぴっかぴかの表皮があらわれる。

くわえて、ぶどう果皮には、雌しべの柱頭の名残りが1つと、lenticelleロンティセル(皮目・果点 )が点在する。

 

baieベ(果粒)の生長段階のページのvéraisonヴェレゾン(色づき期)のところでみたとおり、色づき前の果粒は葉緑素をもっていて、さかんに光合成をしている。その二酸化炭素をとりこみ、酸素をおくりだすための無数のちいさな穴が、コルク質になっているのだ。

 

果粒の構造

植物学の観点からみると、pépinペパン(種子)は3層の果皮で包まれている。

・もっとも外側のépicarpeエピキャルプ(外果皮)は、pelliculeペリキュール(果皮)。

・2番目のmésocarpeメソキャルプ(中果皮)は、果汁をたっぷり含んだpulpeピュルプ(果肉)であり、果粒の容量の大部分を占めている。

・もっとも内側のendocarpeオンドキャルプ(内果皮)は、種子を入れる室のとても薄い膜。この写真では見ることができない。

写真は、小花梗の一部とぶどう果粒を縦に切った断面だ。