traitementトレットモンとは、春に発芽したぶどう樹のみどり色の器官(0才の部分)が罹る、カビに起因する病気の蔓延をふせぐためにおこなう農薬散布のことだ。
とくにぶどう栽培の大敵である2大カビ病、oïdiumオイディウム(うどん粉病)とmildiouミルデュー(ベト病)が対象だ。
ちなみに一般的な意味での農薬、いわゆる殺虫剤、除草剤、殺菌剤、防黴剤、植物成長促進剤などの総称はpesticideペスティスィド。ここで紹介するtraitementトレットモンは、ペスティスィドの1ジャンルという位置付けだ。
traitementトレットモン(農薬散布)で守るのはみどり色の器官
traitementトレットモン(農薬散布)は、ぶどう栽培の2大カビ病 oïdiumオイディウム(うどん粉病)とmildiouミルデュー(ベト病)からその年の収穫のぶどう房の質と量を守るためだ。
房
その年にはじめてトレットモン(農薬散布)するころ、ぶどう房は開花も受粉もまだまだの花の蕾の房の状態だ。この段階でカビに冒されてしまうとひとたまりもない。
たいせつな花の蕾は小さくてひとかたまりになっているから、わずかなカビでもぶどうの収穫量に大きく影響するからだ。
葉
また、これらの病気の被害がでやすい葉をまもることもできる。葉が壊滅してしまってはぶどう樹は光合成が充分にできない。
今年のぶどう樹の生長につかわれる糖分も、ぶどう房が受けとるはずの糖分も、翌年以降のためにぶどう樹が蓄えておきたい糖分も、大部分は葉の光合成でつくられる。
葉緑素をもったみどりの部分はどの器官も光合成するけれど、稼ぎ頭はもちろん葉っぱ。ぶどう樹の生長には大きく生長した葉が重要なのだ。
葉は春に広がり秋には落ちてしまうけれど、葉がつくりだした糖分はぶどう房をへて醗酵槽でアルコールになり瓶の中で長いワインとしての運命をたどるし、ぶどう樹に蓄えられればぶどう樹の将来の健康にも貢献する。
枝と芽
そして、トレットモン(農薬散布)はsarmentサルモン(0才の枝(春の段階ではまだみどり色なので茎という印象))と、そこについている芽を守ることもできる。
とくにbourgeon dormantブルジョン・ドルモン(休眠芽)はとても重要だ。翌春に発芽してサルモン(新梢)になり、ぶどうを恵んでくれるからだ。
この年に病気によってこの芽がうまく育たなければ、翌年のこのぶとう樹の生長も収穫もなくなってしまう。
次回からmildiouミルデュー(ベト病)に対するtraitementトレットモン(農薬散布)についてみていこう。