12. crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペル

cordonコルドンのもつcrochetクロッシェのうち、幹にあるクロッシェが
crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルだ。

cordon simpleコルドン・サンプルのクロッシェ・ド・ラペル こちらの例だと一番左。

crochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルは幹の上にあるクロッシェのことだ

cordon doubleコルドン・ドゥーブルのクロッシェ・ド・ラペル こちらの例では中央。

cordon doubleコルドン・ドゥーブルのクロッシェ・ド・ラペルも幹の上にある。

クロッシェ・ド・ラペルの出番

剪定中に、枝が1本もないcrochetクロッシェをみつけた。こうなってしまうと、このクロッシェはもう2度と発芽することができない。

つまり、このクロッシェからぶどう房を得ることができなくなってしまったわけだ。このままにしておくと、意図した以上に収穫量が落ちてしまう。

この状況がcrochet de rappelクロッシェ・ド・ラペルの出番だ。

クロッシェが発芽しなくなってしまったcordonコルドンの図

・brasブラを切る
・クロッシェ・ド・ラペルからギュイヨ・サンプルの要領で、新しいクロッシェとバゲットを1つずつつくる

クロッシェ・ド・ラペルからギュイヨ・サンプルの要領で、新しいクロッシェとバゲットを1つずつつくる

そして、春夏秋がすぎて、tailleタイユ(本剪定)の季節。

新しいbrasブラに2つのクロッシェを作る。

右側
・旧バゲットの上に、均等な距離で新しい2つのクロッシェをつくる
中央と左側
・旧クロッシェからの2本の枝のうち、1本を新しいクロッシェにする

これで、cordon doubleコルドン・ドゥーブルが復活。

クロッシェ・ド・ラペルから新しいbrasブラを復活させ、再びcordon doubleコルドン・ドゥーブルの完成。

クロッシェ・ド・ラペルのrappelラペルとは

よみがえらせる、再生させる、復帰させるという意味を持つ動詞rappelerラプレ由来の名詞だ。

もしブラの上のクロッシェが死んでしまっても、クロッシェ・ド・ラペルから新しいバゲットを恵んでもらうことによって、ブラを再び何度でもその場所によみがえらせることができる

これがコルドン仕立てのおもしろいところだ。

クロッシェ・ド・ラペルがあることで、この樹はぶどう房を恵みながら生長を続け、わたしたちよりもずっと長生きできる。

クロッシェに枝がなかった原因は

樹の病気、霜、害虫、配慮のない剪定などだ。

いも虫に食べられたぶどう樹の芽

いも虫に食べられた芽

齧られた程度ではなくてしっかり中まで完食されてる。発芽した芽がなければクロッシェには樹液が送られなくなり、結果、そのクロッシェは死んでしまう。

mange-bourgeonsマンジュ・ブルジョン。直訳すると芽食い

その名もmange-bourgeonsマンジュ・ブルジョン(直訳すると、芽食い。芽に複数形のsがついてるところが憎い・・)体はぶどうの巻きひげにそっくりで、注意しないと見逃してしまう。いっきに7芽くらい平気で食べて、おかげで腹ぺこ時比3~5倍の体格に。

やっと暖かくなったきた頃にまるく膨らんだ芽は、あまくてほろ苦い。わたしだって畑へアリゴテ1本に天ぷら鍋担いでいきたいくらいだから気持ちはわかるよ。