2. vieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュってなんだっけ

vieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュとは、ぶどうの古木のことだ。

vieilles vignesヴィエイユ・ヴィーニュ(同じ発音)と、複数形のsをたして綴ると古木のぶどう畑となり、それがボトルのエチケットに書かれていれば、そんな畑のぶどうを原料に造られたワインということになる。レストランのワインリストなどでは、V.V.と省略して表記されることもある。

vieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュが珍重される理由

vieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュ(ぶどうの古木)がつけるぶどう果粒からは、より凝縮されたエキス分の多い果汁が得られるからだ。

そんな果汁から造られるワインは外観・香り・味わいにおいて充実していて、熟成による進化を果たせるポテンシャルを備えているとみなされている。

 

エキス分が多いぶどう房の特徴

もうその房の見た目が、凝縮した果汁を連想させる。
普通の房と比較してみる。(色づき前のpinot noirピノ・ノワール)

たとえば、果粒ひとつぶひとつぶが小さいから、より果皮の比率が多い。ワインは、果皮に含まれる抗酸化作用がある色素、アントシアニンのおかげでゆっくりとした理想的な熟成期間を過ごすことができる。

そして1房に対して果粒の数が少ないから、光合成が用意した糖分をより集中させる

また、隣りあう果粒に空間があるから通気性がよく、病害に曝されにくく完熟にいたる

しかも、種は無いに等しいほど小さいかあるいは全くないため、種由来のタンニンが存在しないのだ。

食べるとあまい。あまい。果皮を噛めばかむほど味がでてくる。香りが豊かで、おいしいいぃぃぃぃ。もちろん、ワインの香りとはまったく異なる。収穫直前、畑で仕事中にもぐもぐしてるのは私だけじゃない。ワインになることを考えて、食べ尽すのをぐっと堪える。

ヴィエイユ・ヴィーニュとミルランダージュ

このような房は、開花時の雨によって結実がうまくいかなかった、花流れの軽い症状とよく似ていて、millerandageミルランダージュと呼ばれる。

日本でぶどうについての病害の章で勉強したから収穫量減という、ネガティヴな印象しか持っていなかったが、ブルゴーニュで軽い花流れは、良いアクシデントとして歓迎されている。

大切なことは、vieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュ(ぶどうの古木)は雨なんか降らなくても、多くのmillerandageミルランダージュを恵んでくれるということだ。


この樹なんか100%ミルランダージュ。

御年66歳。

さて。
vieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュ(ぶどうの古木)の魅力は、エキス分の多い果汁を恵んでくれること。

それだけじゃないってことでしょ。 
おもしろくなってきた。