このsécateurセカター(剪定鋏)は、昨春発芽した0歳の枝(次の4月で1歳になる枝)を切る用。
指を4本掛ける方の柄がくるくる半回転するようになっていて、手にかかる負担を軽減している。
こちらは、わたしが剪定に使っているsécateur électriqueセカター・エレクトリック(電気剪定鋏)。オレンジの箱がバッテリーで、充電して使う。リュックサックのように背負って、スイッチを入れると鋏の刃が開き、指でレバーを引くと刃が閉まって枝が切れるという仕組み。
これなら楊子より細い枝から、cordonコルドンの太いbrasブラまで楽に切り落とせる。腱鞘炎防止ができるだけでなく、自分の判断が瞬時に刃先に反映されるのでストレスフリーで、ひらめきをすぐに形にできる夢の道具だ。
ぶどう樹の病気の伝染予防に効果があるとされるスプレー。(効果は謎。笑)刃にスプレーをして30秒待ち、きれいな布で拭き取る。
いくつかのmaladies du boisマラディ・デュ・ボワ(ぶどう樹の病気)は、剪定鋏によって媒介される。それらは枝の中に寄生しているカビ(複数存在する)で、数年かけてぶどう樹を死に至らせる。枝の切り口にいたカビが刃に移り、同じsécateurセカターで、その隣の樹の枝を切ったときに、そのカビが切り口に残り、樹の中に侵入するからこまめにスプレーをして感染を防ぐ。と、この記事を書いた当時は言われていたが、2020年現在賛否が分かれている。
右利きの人が左手につける保護用手袋。指の部分に5本の金属の筒が入っていて、剪定鋏の刃が入らないようになっている。2011年の冬から、MSA(農業者社会共済制度)の組合より剪定時のこの手袋の装着が義務づけられている。
グリスは鋏の開閉が滑らかになるよう時々さす。
砥石で研いでつねに切れ味を保つと剪定の精度が格段に上がる。鋏なので刃は和包丁と同じ片刃。しのぎから刃先までを長く薄くして、切るときの樹に与える衝撃を和らげたい。