摘芽された芽
2種類の摘芽のちがい
摘芽とは、発芽した芽の中から不要と判断した芽を指でつみとる仕事だ。
その芽がぶどう樹のどこに発芽しているかによって、摘芽はébourgeonnageエブルジョナージュとévasivageエヴァズィヴァージュの2種類にわけることができる。
発芽する場所によって、芽はことなる性質をもっている。
それを見極め役割をおわせることで、ある芽は枝になりその区画の潜在性を受けとったぶどう房を恵んでくれるし、ある芽は垣根仕立てのぶどう樹が健康にvieille vigneヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)になるために欠かせない枝となる。
なんだか知らないけど大切だなと思うところを太字にしてたら全部太字になっちゃった。でもこのページ全部太字でいいくらい要点が集まってます。それだけ摘芽がぶどう栽培の仕事の中でも重要ということに改めて気づきました。
だからお察しのとおり、摘芽の行為は不要な芽を取り除くことだけれども、
重要なのはどの芽をのこすかの判断だ。
摘芽とtailleタイユ(冬の本剪定)は表裏一体
ébourgeonnage エブルジョナージュとévasivageエヴァズィヴァージュの2種類の摘芽は、tailleタイユ(冬の本剪定)と表裏一体になってやっと、お互いに価値のある仕事になる。
剪定と摘芽のどちらが欠けても、ぶどう樹はあのような仕立ての形にならないからだ。つまり剪定方法のちがうguyotギュイヨとcordonコルドンでは、摘芽でのこす芽の選び方もちがうというわけ。
それぞれの剪定方法に則りながら、冬のtailleタイユ(本剪定)のときは春のébourgeonnageエブルジョナージュとévasiveエヴァズィヴァージュをイメージしながら枝を選び、
春のébourgeonnageエブルジョナージュとévasiveエヴァズィヴァージュのときは、冬のtailleタイユ(本剪定)の選択肢を考えながら芽を選ぶ。おかげで樹は質のいいぶどうを恵みながら、その樹にあった形になる。
では、次回から具体的に剪定方法ごとに摘芽の仕組みをみていこう。